「決断業」とも言われる経営者の仕事。
その経営者の決断力が鈍ったり弱ってしまうのは、会社の舵取りを行う上では問題になると思います。それが失敗することの恐れからくるものであれば、失敗を恐れないようにするという思考へ変換させる必要があります。
今回のテーマは
「失敗を恐れて決断が鈍ってしまう時の対処法」
です。
私は元経営者、現カウンセラーのhajimeと申します。詳しくはこちらをご覧ください⇒「はじめまして」プロフィール
約20年間の会社経営で得た経験とカウンセラーという資格を生かし、現在経営されている方々へ少しでもお役に立てればと思い、オンラインカウンセリングルームを運営しながらブログを書いています。
今回の記事が経営者の皆様のお役に立てたら幸いです。
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自分のことを信じられない

現在の厳しい経営環境の中で会社経営をされていると、以前はうまく運べた商談や、成功率が高かった企画、うまく舵取りができていた会社運営なども、なかなか思うようにいかなかったり、失敗することもあるのではないでしょうか。
社会全体が厳しかったり、ものすごいスピードで変化する現代のビジネス環境下ではある程度仕方ないことなのかもしれません。
“成功体験” が減り、”失敗体験” が増えてくると、徐々に自分の力を信じることができなくなり、また失敗するのでは…という不安から臆病になり、自分でも気づかないうちに決断力が鈍ってしまっている可能性があります。

経営者という立場でいる以上、決断力は最も必要な力と言っても過言ではないため、自分の決断力の変化に注意していく必要があるでしょう。
また、この “決断力” が鈍ってしまうことで、あっという間に経営が傾いてしまうこともあり得ます。
「また失敗するのでは…」という思考を変える
「失敗は成功の元」「失敗してこそ成功がある」など、経営者であれば深く理解されていると思います。
しかし、経営での失敗は金銭的な損失も大きいため、受けるダメージもそれに比例して大きくなり、結果、心に傷を負うことになるでしょう。
誰も傷つきたくはないため、失敗を恐れてチャレンジすることや行動することを躊躇してしまったり、思考停止させて傷つかない楽な選択をしてしまったりするものです。
でもこう考えてしまうのはあなただけではありません。
失敗をして傷ついた経験を重ねれば、多くの人がトラウマになり、次また同じ場面に遭遇した時行動できなくなったりしてしまうものです。
ましてや、経営での失敗は損害も大きく資金繰りなどに直結する訳ですから、恐怖心も半端ではありません。

しかし、同じような失敗体験をしても動じず何度もチャレンジできる経営者がいるのも事実です。
単に”精神力が強い”という方かもしれませんが、失敗を恐れず再チャレンジできる人というのは、
「失敗=傷つく」ではなく失敗した体験をポジティブ思考に変換できています。
失敗したことで、
- 学びがあった
- 経験値が増えた
- 新たな対処法を発見できた
- 物事の捉え方に変化が生まれた
- 人の痛みを理解できる人間に成長できた
このようにポジティブ思考に変換し繰り返すことで “精神的にタフ” になり再びチャレンジすることができています。
こういった方々も決して “失敗を恐れない” という思考になっている訳ではなく、“失敗した経験を活かす”という思考へ変換させているということです。

失敗の経験を活かして力強く前進

このようにポジティブな思考へ変換して失敗した体験を活かせれば、次のチャレンジも失敗を恐れず行動することができます。
つまり、経営者として大切な「決断力」が保たれるということです!

失敗を恐れず、継続的に力強い決断ができるということは経営者にとってかなりの強みになります!
しかしこのような思考へ変換できた場合でも、やはり失敗した時は多かれ少なかれ傷つくと思います。
その時は、傷ついている状態を引きずらず、検証と分析を直ちに行うことです。
- なぜ失敗したのか?
- 何がいけなかったのか?
このことに考えを集中させることで、「傷ついた」という思考から「検証と分析」の思考に変換されます。
そして次に検証結果から学びを見つけ出します。
- 次回はこうすればいいんだ!
- こうやればもっとうまくいく!
などのように、学びを発見することで失敗の経験がポジティブ思考に変換されます。
これらの変換をじっくり丁寧に行うこと、そして繰り返すことで、失敗を恐れず余裕のある行動が常にとれる経営者になっていくでしょう。
今回のテーマに沿った
\おすすめの本/
をご紹介させて頂きます
HRアワード2021優秀賞受賞
エイミー・C・エドモンドソン教授最新刊
恐れのない組織「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
心理的安全性の提唱者による解説書がついに邦訳!
Googleの研究で注目を集める心理的安全性。これからの組織にとって、なぜ重要なのでしょうか。
この概念の提唱者であり、また『チームが機能するとはどういうことか』の著者でもあるハーバード・ビジネススクール教授が、ピクサー、フォルクスワーゲン、福島原発など様々な事例を分析し、対人関係の不安がいかに組織を蝕むか、そして、それを乗り越えた組織のあり方を描いています。
心理的安全性への理解が深まり、不安の乗り越え方、乗り越えた後の組織の在り方を知り、「恐れ」から開放され自分の行動変容へと導いてくれます。
理論と豊富なケーススタディを軸に、実践への示唆までを語る包括的な一冊。
著者:エイミー・C・エドモンドソン
ハーバード・ビジネススクール教授。リーダーシップ、チーム、組織学習の研究と教育に従事し、2011年以来、経営思想家ランキング「Thinkers50」に選出され続けています。
彼女の論文は、Harvard Business Review、California Management Review、Administrative Science Quarterly、Academy of Management Journalなどに掲載されている。『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』(英治出版)の著者でもあります。

不安に縛られ生きにくさを感じていらっしゃる経営者へとってもお薦めの一冊です。
出版社 | 発売日 | 単行本 |
英治出版 | 2021年2月3日 | 320ページ |
心理的安全性を理解するために
バズワードではありますが、心理的安全性を理解するために読みました。当たり前のことではあるものの、改めて大切さを認識しました。 自由な発言をしそうなアメリカでも心理的安全性がないとやはり忖度があって、自由に発言できない場合があるというのも発見でした。
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村瀬俊朗氏による解説が秀逸。
グーグルによって有名になり、今では企業組織やチーム運営上の最重要項目の一つとなっている心理的安全性。本書は心理的安全性の提唱者が自らの研究成果を盛り込んだ書です。ただ、海外の研究所らしく豊富な事例を盛り込んでいる反面、やや冗長に感じることもありました。その意味では、最後の方にあるQ&Aや、村瀬俊朗氏による解説が要点がまとまっていてよかったです。特に後者では、心理的安全性と信頼の違いが端的に述べられているのが秀逸でした。
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リーダーのマインドが大事
やはりリーダーがどのように感じているのかがとても大事だと感じた。例えば、心理的安全性が確保されているとして誰もが意見を言えるような環境にあったとしよう。しかしながら、このような環境でもリーダーがその意見に反対する発言をいつもするようであれば、あまり効果はなく、そのうち誰も意見しなくなるだろう。そのような環境も心理的安全性が確保されているとはとても言えない。
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心理的安全性が確保され、かつ、その意見をみなが取り入れ、積極的に議論できるような環境こそが必要であり、そのような環境を作ることはやはりリーダーの職責なのだ。
まとめ
今回は「失敗を恐れて決断が鈍ってしまう時の対処法」についてお話しさせて頂きました。
・厳しい経営環境下で「成功体験」が減少し、「失敗体験」が増加している
・経営での失敗は金銭的な損失も大きく受け、その分ダメージも大きいため心に傷を負う
・失敗から学びを得られるという “ポジティブ思考への変換” を意識的に繰り返し行う
結論:どんな経営者でも失敗への恐れはあります。失敗から得られる「学び」にフォーカスする思考を常に持つことで、決断力が鈍らず適切な経営判断が可能となるでしょう。
失敗を恐れないためには今回の考え方以外にも、「万一の失敗に備えて予防線を張っておく」など、対応策等を事前に準備しておくことも安心感に繋がります。
同時に、突発的な事態にも冷静に判断する能力も経営者には必要となります。
こちらの記事「突発的な出来事にも冷静でいられる方法」も合わせてご覧ください。

今回の記事が経営者の皆様の参考になっていただけたら幸いです。

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