「倒産」の二文字が頭をよぎる瞬間
日々の社長業、本当にお疲れ様です。
毎日厳しい経営をされている社長さん、本当にお辛いですよね。私も経験したのでよく理解できます。資金繰りが厳しい上に、コロナだ、物価上昇だ、人員不足だ、と容赦なく追い打ちをかけてくる数々の問題。ふと、
『もう無理かな』
『やめたほうがいいかな』
などと「倒産」の二文字が浮かび、悩み苦しむ時があると思います。
そして、
『倒産したら家族はどうなるのか』
『その後どうやって生活していくか』
などと考えるとどうしてよいのか分からなくなります。
迷っている時はまだ腹が決まっていない
色々なことが浮かび、迷っている時はとことん迷ったほうがいいと思います。私も決断するまで長い期間、悩み苦しみ迷いました。迷っている間は社長の腹がまだ決まっていません。
決断できない迷いの中にいるとき、迷いからくる不安を解消していくのも大切なことです。毎日漠然と「どうしよう」と悩んでいても、いつまでも同じところをぐるぐると回り続けるだけです。
倒産や自己破産について何度もネットで調べたりするでしょうが、一番お勧めなのはひとまず弁護士や税理士に相談することです。もし税理士が銀行と連携している場合には十分な配慮が必要です。特にリスケなどを行った場合には銀行から紹介された税理士が入っているケースもあるでしょう。その税理士に「倒産を考えています」と相談してしまうと銀行に話がいってしまうかもしれません。
その時は弁護士だけに相談すると良いと思います。あくまで相談の段階であることを伝えてから、倒産や自己破産の流れをよく聞きます。そして不明点や不安な部分があれば、きちんと質問し全ての流れをよく理解しておくことが重要です。よく理解できれば不安もかなり軽くなると思います。
更に、専門家から詳しく聞いた内容はきちんと整理しながら記録しておき、倒産を決断する時の材料にします。
とことん迷うもうひとつの理由
もうひとつ、とことん迷ったほうが良い理由があります。
長く悩んでいる中で「なぜこんなに厳しくなったんだろう?」と原因を考えてしまう時があると思います。考えることはよいのですが、その結果「世間のせい」「誰かのせい」など、自分以外の何かを理由にしてないでしょうか。
倒産や自己破産に対して徹底的に調べ不安材料を消す努力もせず、更に何かや誰かのせいにしたまま倒産や自己破産をすると、「後悔」だけが残ってしまう可能性があります。

悩み、苦しみ、迷っている不安な期間は本当に辛いです。でもその期間、とことん考え抜くと自分自身に原因があったことに気付くことができます。(自分を責めるという訳ではありません)
会社は全て社長の行動・言動で成り立っています。中小零細企業なら尚更です。倒産するところまで経営が悪化したのは世間や誰かのせいではありません。社長自身がその場の状況に応じてひとつひとつ決断を重ねて必死に歩んできた結果が「倒産」になってしまったのです。
社長は毎日、会社が発展もしくは安定経営が実現できるよう活動してきたと思います。倒産や自己破産をしようと思って会社を創り経営する社長はいないと思います。
「必死にやった結果がこうなんだ」と深く理解できたとき腹が決まり、気持ちが急に楽になる瞬間があります。これは切羽詰まっている中でとことん悩み迷い苦しんだ結果得られるものです。そこまでの考えに到達したらきっと決断の時だと思います。
とことん悩むことは倒産への一途を辿るだけではありません。中には、倒産について徹底的に調べ、心の迷いを感じている間に、「まだまだできる!」「倒産なんかするもんか!」と強い気持ちが芽生えることもあるかもしれません。その強い気持ちが芽生えれば経営改善のアイデアだって浮かぶものです。
心の行き先がどちらに転んでも、とことん悩み迷うことは大切です。人生の一大決心なのですから。
今まさに倒産を考えている社長さんの参考になっていただけたら幸いです。
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